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公式ソース 13 件を毎日監視|シャドー AIは「今すぐ動く」

·経営者の論点

社員が個人アカウントの AI を無断で業務に使う「シャドー AI」。IPA が今年初めて 10 大脅威に入れた今、従業員 20 名の会社が『今すぐ動く』理由

判定今すぐ動くシャドー AI
次の一手
IPA が 2026 年に初めて組織向け脅威の 3 位に挙げ、国内調査では働く人の 4 割前後が会社公認でない AI を使っていると答えており、最初の一手は費用ゼロで今日の午後に始められるため
当てはまる会社
見積書・顧客名簿・議事録・社内資料を社員が日常的に扱い、会社として AI の契約をまだ結んでいない会社

何が起きているか

シャドー AI とは、会社が認めていない AI を社員が個人アカウントで業務に使うことです。事実は 3 点です。

  1. IPA(情報処理推進機構)が 2026 年に初めて 10 大脅威に入れました。 2026 年 1 月 29 日公開の「情報セキュリティ 10 大脅威 2026」で「AI の利用をめぐるサイバーリスク」が組織向け 3 位に初選出。解説書は「職場に許可なく AI を業務利用し、情報漏えいにつながる可能性」を最初のリスクに挙げ、「職場が従業員の個人アカウントによる AI の業務利用を認識できないこともリスク」と書いています(IPA 公式ページ、解説書 組織編 PDF)。
  2. 国内調査では、働く人の 4 割前後が会社公認でない AI を使っています。 角川アスキー総合研究所の 2026 年 4 月調査(310 人)では、会社公式でない AI ツールの業務利用経験は管理職 46.5%、一般社員 38.1%。全社ガイドライン整備済みの企業でも 46.9% でした(リリース PDF)。サイバーセキュリティクラウドの 2026 年 6 月調査(360 名)では、使っている AI を会社に「すべて申請・共有している」人は 18.9%、禁止されても使い続けると答えた人は 37.8% でした(リリース)。
  3. 個人情報保護委員会は、入力した個人データが「機械学習に利用されないこと」の確認を事業者に求めています。 2023 年 6 月 2 日の注意喚起で、本人の同意なく個人データを入力し、それが回答の出力以外の目的で扱われる場合は個人情報保護法違反となる可能性があると示しています(注意喚起ページ、本文 PDF)。2025 年 2 月には DeepSeek のデータ保存先(中華人民共和国)についても注意を出しています(同委員会)。

海外では、2023 年 4 月にサムスン電子の社員が社内のソースコードを ChatGPT に入力したことが発覚し、同社が生成 AI の社内利用を禁止したと報じられました。影響範囲は公表されていません(Forbes JAPAN)。国内で個人アカウント経由の漏えいを会社名つきで公表した事例は、2026-10-18 時点で確認できていません。

うちで起きたらどうなるか

従業員 20 名の製造業で、ある 1 日を追います。

朝、営業担当が取引先の見積依頼メールを自分のスマホの無料 AI に貼り、返信文を作ります。先方の担当者名と過去の取引単価が入っています。昼、経理担当が売掛金一覧を個人アカウントの AI に貼り、催促文を作ります。夕方、社長が採用面接の記録を要約させます。応募者の氏名と職歴が入っています。

誰にも悪意はなく、仕事は速く終わりました。問題は、会社がこの 3 件を把握しておらず、入力内容がどこに保存され学習に使われるかを誰も確認していないことです。個人情報保護委員会が求める「機械学習に利用されないことの確認」が一度も行われていません。顧客から「うちの情報を AI に入れましたか」と聞かれて答えられないことが、最初の損失です。

次の一手

  • 今週やること: 社員に「業務で使っている AI と、会社用か個人用か」を聞く。責めるためではなく現状把握のためだと伝えます。IPA も「職場が認識できない」こと自体をリスクに挙げています。
  • 今月やること: 会社契約の AI を 1 つ決め、個人アカウントの業務利用をそこへ移す。「禁止」では 37.8% が使い続けると答えており、受け皿を先に用意する方が現実的です。あわせて、入力してよい情報(公開資料、自分で書いた文章)と入力しない情報(顧客の個人情報、未公開の価格、人事情報)を 1 枚にまとめます。経済産業省・総務省の「AI 事業者ガイドライン(第 1.2 版、2026 年 3 月 31 日)」も AI 利用者に「個人情報を不適切に入力することがないよう注意を払う」「機密情報等を不適切に入力することがないよう注意を払う」ことを求めています(経済産業省、本編 PDF)。
  • 業者に頼むならどこまで: 聞き取り、ルール 1 枚、法人プランの契約までは自分でできます。社内ネットワークで未承認 AI の通信を検知・記録する仕組み(IPA が挙げる通信ログや CASB)は IT 業者の領域で、50 名以下ならまず前者で十分です。

使える AI・ツール

法人プランは公式ページで「入力を学習に使わない」と明記されています。個人プランとの違いはここです。

サービス 個人プラン(公式ヘルプの記載) 法人プラン(公式の記載)
ChatGPT オフにしない限り学習に使われることがある。Data controls の「Improve the model for everyone」でオフにできる(ヘルプ、手順) ChatGPT Business・Enterprise・Edu・API は初期設定で入力も出力も学習に使わない(公式)
Gemini 「アクティビティを保存」がオンだと一部のチャットを人間のレビュアーが確認し、レビュー済みは最大 3 年保持(ヘルプ) Google Workspace の Gemini は顧客の許可や指示なしに顧客データを学習に使わない(Privacy Hub)
Claude 「モデル改善を許可する」設定をオンにしている場合に学習に使われ、最長 5 年保存(ヘルプ) Team・Enterprise・API は初期設定で学習に使わない。Team は 2 席から、1 席月額 $25(年払い $20)(ヘルプ、料金)

Microsoft 365 Copilot も、プロンプト・応答・社内データを基盤モデルの学習に使わないと明記しています(Microsoft Learn)。各サービスの判定は GPT-6 / ChatGPT、Claude Opus 5.5、Gemini 4 Argon、Microsoft 365 Copilot、比較は ツール一覧 をご覧ください。

落とし穴を 1 つ。法人プランでも「学習に使わない」と「保存しない」は別です。保存期間と管理者が履歴を見られるかは、契約前に公式ページで確認してください。

明日やること

朝礼で「業務で使っている AI を今日中にこの紙に書いてください。会社用の AI を用意するための調査です」と伝え、A4 を 1 枚回す。社員が一番使っているサービスの法人プランから検討を始めます。

出典

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