ChatGPTでできるAIエージェント的な使い方
ChatGPTを触った程度の経営者向けに、取引先への返信下書き・会議資料の要点整理・複数見積の比較表の3つを、画面での操作順に解説します。無料でできること、有料プランが必要な機能、入力してはいけない情報もまとめました。
- ChatGPT
結論から書きます。ChatGPTをAIエージェントのように使うコツは、「材料を渡す」「目的と成果物の形を伝える」「最後に人が確認する」の3つを毎回そろえることです。この3つは無料プランでも実践できます。このレッスンでは、社長自身の仕事で3つの例を、画面での操作順に紹介します。
このレッスンのゴール
- ChatGPTに「下ごしらえまで任せる」頼み方を1つ身につける
- 無料でできることと、有料プランが必要なことの境目を知る
- 入力してはいけない情報を社員に説明できるようになる
「エージェント的な使い方」とは
AIエージェントとは、目的を伝えると途中の段取りを自分で組み立てて作業を進めるAIのことです(詳しくはAIエージェントとは何か)。
ChatGPTで1問1答をくり返すだけでは、この働き方になりません。資料を先に渡し、「何のために」「どんな形で返してほしいか」をまとめて伝えると、ChatGPTが読む・整理する・下書きするまでを続けて進めてくれます。
始める前に: 使える機能とプランの関係
| 機能 | 使えるプラン | 使いどころ |
|---|---|---|
| ファイルの添付 | 無料から可(無料は1日3件まで) | 資料や見積を読ませる |
| プロジェクト | 無料から可 | 資料と指示を1か所にまとめる |
| ChatGPT Work | Free・Go以外の有料プラン | 複数の手順が続く作業を任せる |
- プロジェクトは、関連するチャット・ファイル・指示を1か所にまとめる機能で、無料を含む各プランで使えます(Projects in ChatGPT|OpenAI Help Center)
- ChatGPT Workは、いくつもの手順が続く作業を最後まで進めて成果物を返すエージェント型の機能です。入力欄の切り替えで「Chat」と「Work」を選びます。FreeとGoでは使えません(ChatGPT Work and Codex|OpenAI Help Center)
- 料金は、個人向けのPlusが月20ドル(What is ChatGPT Plus?|OpenAI Help Center)、会社向けのBusinessは標準の席で1人あたり月払い25ドル、年払いなら月20ドルです(Business Pricing|OpenAI)
- 無料プランのファイル添付は1日3件までです(File Uploads FAQ|OpenAI Help Center)
以前よく紹介されていた「GPTs」(役割を固定した自作のChatGPT)は、現在FreeやPlusなど個人向けプランでは新しく作れません(Creating and editing GPTs|OpenAI Help Center)。役割や前提を毎回書く手間は、プロジェクトの指示欄で省けます。料金や提供範囲は変わるため、契約前に公式ページで確認してください。
例1: 取引先への返信を下書きさせる
無料プランで今日から試せます。
- 左のサイドバーから「新しいチャット」を開く
- 取引先から届いたメール本文を貼り付ける(相手の氏名・連絡先は「A社 担当者」などに置き換える)
- 続けて次のように書いて送る
目的: 納期を1週間延ばしたいと、関係を損ねずに伝えたい
成果物: 返信メールの下書き。敬語で300字以内
条件: 延期の理由は「部材の入荷遅れ」。代わりの納品日を2案入れる
- 出てきた下書きの言い回し・日付・約束の中身を自分で確かめ、自分のメールソフトに貼って直す
ポイントは、約束にあたる部分(納期・金額)は必ず人が決めて書き込むことです。ChatGPTに決めさせるのは言い回しまでにします。
例2: 会議資料の要点を整理させる
- 入力欄の「+」から会議資料(PDFやWord)を添付する
- 「この資料を読み、社長が会議前に知っておくべき点を5つ、各1行で。数字は資料のページ番号つきで」と送る
- 続けて「この資料に書かれていないが、会議で聞くべき質問を3つ」と頼む
- 要点に書かれた数字を、元の資料の該当ページで照らし合わせる
ページ番号をつけさせると、確認が数分で済みます。AIは資料にない数字をもっともらしく書くことがあるため、数字の照合だけは省かないでください。
例3: 複数の見積を比較表にする
同じ種類の見積を毎月比べるなら、プロジェクトを作っておくと楽です。
- サイドバーの「プロジェクト」から新しいプロジェクトを作り、名前を「見積比較」にする
- プロジェクトの指示欄に「見積を比べるときは、会社名・合計金額・納期・保守の有無・注意点の5項目で表にする。金額は税込か税抜かを明記する」と書く
- そのプロジェクト内でチャットを開き、見積書3社分を添付して「比較表を作って」と送る
- 有料プランなら、入力欄を「Work」に切り替えて「表をもとに、発注前に各社へ確認すべき点を一覧にして」と頼むと、確認事項の整理まで続けて進めます
- 表の合計金額を見積書の原本と照らし合わせ、どこに頼むかは自分で決める
できないこと・入力してはいけない情報
ChatGPTに任せてはいけないのは、発注先の決定、値引きの可否、社員の評価といった会社として責任を負う判断です。下書きや比較までを任せ、決めるのは人です。
入力してはいけない情報の例は次のとおりです。
- 顧客や社員の個人情報(氏名・住所・電話番号・マイナンバー)
- 取引先と秘密保持契約を結んでいる資料
- 公表前の決算数字、口座番号、パスワード
個人向けプランでは、設定の「データコントロール」で、会話をモデルの改善に使う設定をオフにできます(Data Controls FAQ|OpenAI Help Center)。ただし、設定をオフにしても上の情報は入れない、と社内で決めておくのが安全です。
明日やること
直近で届いた取引先メールを1通選び、例1の「目的・成果物・条件」の3行をつけて返信の下書きを作らせてください。 無料プランで10分あれば試せます。
まとめ
- ChatGPTをエージェント的に使うには、材料・目的と成果物の形・人の確認をそろえる
- 返信の下書き、資料の要点整理、見積の比較表は無料プランでも始められる
- 複数の手順を続けて任せるChatGPT Workは有料プランの機能
- 約束・金額・評価の判断と、個人情報や秘密情報の入力はしない
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