動画制作のAI活用|採用・商品紹介動画を自社で内製する手順と注意点
動画制作にAIを使い、採用動画や商品紹介動画を自社で内製したい中小企業向けの実践ガイドです。企画から公開までの現実的なワークフロー、目的別のツールの選び方、著作権や肖像権の注意点、内製と外注の使い分けまでを整理して解説します。
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「採用動画や商品紹介の動画を作りたいが、制作会社に頼むと1本数十万円かかる」「社内に動画の専門知識を持つ人がいない」。中小企業の経営者や採用・広報の担当者から、こうした声をよく聞きます。結論から申し上げると、動画制作のAI活用によって、これまで外注に頼るしかなかった動画の多くは、自社で内製できる時代になりました。台本づくりから字幕付け、ナレーション、アバターによる出演までをAIが肩代わりしてくれるため、専門スタッフや高価な機材がなくても、一定水準の動画を短時間・低コストで作れるからです。ただし、何でもAI任せにすればよいわけではありません。この記事では、採用動画と商品紹介動画を自社で内製するための現実的なワークフローと、押さえておくべき注意点を、中小企業の実情に合わせて解説します。
動画制作にAIを使うとは?できることと従来制作との違い

まず、「動画制作にAIを使う」といっても、実際には作業のどの部分をAIが担うのかを整理しておきましょう。従来の動画制作では、企画・撮影・編集・字幕付け・ナレーション録音といった工程を、それぞれ人が手作業で行っていました。動画制作のAI活用では、このうち手間のかかる工程を大きく自動化できます。
具体的には、次のような作業がAIで置き換えられます。
- 台本・構成の作成:伝えたい内容を入力すると、AIが動画の流れや話す原稿を提案してくれます
- 字幕の自動生成:音声を文字起こしして字幕を自動で付け、テキストとして編集できます
- ナレーション(音声合成):原稿からAIが自然な読み上げ音声を生成します
- アバター出演:実際の人が撮影に出なくても、AIアバターが原稿を話す動画を作れます
従来制作との最大の違いは、「撮影・演者・編集」という高いハードルを大きく下げられる点にあります(ボーダーレス)。原稿とパソコンさえあれば動画が形になります。一方で、独自性の高い映像表現や、細やかな感情を伝える演出はまだ人の手が必要です。この得意・不得意を理解したうえでAIに任せる範囲を決めることが、内製成功の第一歩です。
中小企業が内製で狙うべき2つの動画|採用動画と商品紹介動画

AIで作れる動画は幅広くありますが、中小企業がまず内製で取り組むと効果が出やすいのが、採用動画と商品紹介動画の2つです。どちらも「継続的に作り直す必要があり、外注すると割高になりやすい」という共通点があるためです。
採用動画は、求人サイトや採用ページ、会社説明会で使う動画です。仕事内容の紹介、先輩社員のメッセージ、職場の雰囲気の紹介などが典型です。採用は毎年、あるいは職種ごとに繰り返し発生するため、その都度外注していてはコストがかさみます。AIアバターやナレーションを使えば、社員が撮影に出なくても、職種説明や募集要項の案内動画を手早く作れます。募集条件が変わったときの修正も、原稿を書き換えるだけで済みます。
商品紹介動画は、商品やサービスの特徴を短くまとめ、ECサイト・SNS・営業の場面で使う動画です。特にSNS向けのショート動画は、数を出し、反応を見ながら改善する運用が効果的で、1本ずつ外注するやり方とは相性がよくありません。AIで内製できれば、複数パターンを量産し、反応のよいものに絞り込めます。
この2つは、「型が決まっていて、繰り返し作る」動画です。だからこそ、一度社内にワークフローを作ってしまえば、内製の効果が長く続きます。まずはこの領域から着手するのが現実的です。
AIで動画を内製する現実的なワークフロー

では、実際にどう作るのか。AIを使った動画内製は、次の5ステップで進めると迷いません。いきなりツールを触るのではなく、企画から順に固めるのが失敗しないコツです。
ステップ1:目的とターゲットを決める 「誰に、何を伝え、どう行動してほしいか」を先に一文で書きます。採用動画なら「地元の若手求職者に、職場の働きやすさを伝えて応募につなげる」といった具合です。ここが曖昧だと、どれだけAIが優秀でも刺さらない動画になります。
ステップ2:台本・構成を作る 生成AI(ChatGPTなどのチャットAI)に目的とターゲット、伝えたい要素を入力し、構成案と原稿のたたき台を作らせます。出てきた原稿は必ず自社の言葉で調整します。
ステップ3:素材を準備する 原稿に合わせて、画像・ロゴ・商品写真・BGMを用意します。自社で撮った写真や動画を使えば独自性が高まります。
ステップ4:AIツールで動画を生成する 字幕編集型やアバター型のツールに原稿と素材を入れ、字幕・ナレーション・アバターを組み合わせて動画を組み立てます。
ステップ5:編集・確認して公開する テロップの誤字、事実関係、ブランドイメージとの整合を人の目で必ず確認してから公開します。この最終チェックだけは省略しないことが、内製動画の品質を守る要になります。
最初の1本は時間がかかりますが、2本目以降は原稿と素材を差し替えるだけで作れます。型をテンプレートとして残しておくと、担当者が代わっても同じ品質で作り続けられます。
目的別に選ぶAI動画ツール|字幕編集型・アバター型・生成型

AI動画ツールは数多くありますが、タイプで整理すると自社に合うものを選びやすくなります。大きく3つのタイプがあります。
字幕編集型は、音声を文字起こしして字幕を自動生成し、動画を「テキストとして」編集できるタイプです。代表例のVrew(ブリュー)は、自動字幕やAI音声合成に対応し、基本無料で始められます(無料プランには月間の解析時間などの制限があります)(AIフレンズ)。撮影済みの動画を手早く仕上げたい、字幕付けの手間を減らしたい場合に向きます。
アバター型は、実際の演者を立てずに、AIアバターが原稿を話す動画を作るタイプです。HeyGenやSynthesiaが代表例で、いずれも日本語を含む多言語に対応し、有料プランで商用利用が可能です(利用前に必ず最新の規約を確認してください)。Synthesiaは社内研修やeラーニング、コンプライアンス動画など企業利用に強く、HeyGenはアバター品質やマーケティング動画に強いとされています(AI総合研究所)。採用の職種説明や、社員が撮影に出づらい動画に適しています。
生成型は、テキストや画像から映像そのものをAIが生み出すタイプです。イメージ映像や短いカット作りに向きますが、狙いどおりの映像を得るには試行錯誤が必要で、現時点では補助的な使い方が現実的です。
選ぶ軸は多くありません。用途に合うか、日本語に対応しているか、商用利用が可能か、予算内かの4点で十分です。高機能なツールほど良いわけではなく、使いこなせる範囲で目的に合う最小限のツールを選ぶことが、内製を定着させる近道です。
内製前に押さえる注意点|著作権・肖像権・商用利用と社内ルール

AIで動画を手軽に作れるようになった一方で、公開段階での権利トラブルには注意が必要です。実際、業務での侵害リスクは「生成」よりも「公開・利用」の段階で表面化しやすいと指摘されています(AI新聞)。内製を始める前に、次の3点を押さえておきましょう。
著作権:AIが生成した映像や音楽が、既存の著作物に似てしまうことがあります。類似性が認められる生成物を商用利用すると、使った企業側が責任を問われる可能性があります。BGMや素材は商用利用が明示されたものを使い、生成物はそのまま出さず確認する習慣をつけましょう。
肖像権:実在の人物に酷似したAIアバターや、他人の写真を無断で使うことは避けます。社員が出演する場合も、利用範囲について本人の同意を得ておくことが安全です。
商用利用の可否:ツールによって、無料プランでは商用利用が認められていない、あるいはクレジット表記が必要な場合があります。契約前に必ず利用規約を確認してください。
そのうえで、簡単な社内ルールを用意しておくと安心です。「使ってよいツールと素材」「公開前の確認担当者」「NGな使い方」を1枚にまとめておくだけでも、トラブルの多くは防げます。ルールがないまま各自が自由に作ると、後から権利問題が発覚したときの影響が大きくなります。
内製と外注の使い分け|AIで作る動画・プロに任せる動画

最後に、すべてをAIで内製すべきかというと、そうではありません。大切なのは、動画に求める「成果の重さ」で使い分けることです。
AIでの内製が向いているのは、繰り返し作る動画、スピードを優先したい動画、数を出して改善する動画です。採用の職種説明、商品のSNSショート動画、社内マニュアルや研修動画などがこれにあたります。これらは多少の粗さより、速さと量、更新のしやすさが価値を持ちます。
プロへの外注が向いているのは、企業の第一印象を左右する動画です。会社のブランドムービー、周年記念や大型キャンペーンの映像、感情に強く訴えかけたい採用のメインムービーなどは、演出力と映像品質が成果を左右します。ここをAIだけで埋めるのは、現時点では難しい領域です。
そして見落とされがちなのが、両者を組み合わせる発想です。日常的に量産する動画はAIで内製し、年に数本の勝負どころはプロに任せる。あるいは、AIで作ったたたき台を制作会社への相談材料にする。こうすれば、外注費を抑えながら要所の品質は確保できます。内製か外注かの二択ではなく、動画ごとに最適な作り方を選ぶことが、限られた予算を活かす賢明な進め方です。
まとめ
動画制作のAI活用によって、採用動画や商品紹介動画といった繰り返し作る動画は、中小企業でも自社で内製できる時代になりました。台本づくりから字幕・ナレーション・アバターまでをAIが担うため、専門スタッフや高価な機材がなくても、短時間・低コストで動画を形にできます。成功のポイントは、目的を先に決めてから作るワークフローを社内に残すこと、用途に合う最小限のツールを選ぶこと、そして著作権・肖像権・商用利用の確認と最終チェックを省略しないことです。すべてをAIに任せるのではなく、内製と外注を動画ごとに使い分ける視点を持てば、限られた予算でも動画活用の効果を最大化できます。まずは採用動画か商品紹介動画のどちらか1本を、AIで内製してみることから始めてみてください。
株式会社オモイカネでは、こうした動画をはじめとする業務へのAI導入と、社内での定着を、中小企業の実情に合わせてお手伝いしています。「自社の場合、どの業務からAIを使えるのか」「内製と外注をどう切り分けるべきか」といった段階からのご相談も歓迎しています。サービスの詳細はサービス紹介をご覧いただき、具体的なお悩みはお問い合わせからお気軽にご連絡ください。